アメリカ高校制度

このページでは、アメリカの高校制度について説明しています。アメリカ留学に際して、アメリカの高校制度やどんな高校生活を送るのかを把握しておくことは重要です。
ここでは、日本の高校制度との違い、年間スケジュール、用語の説明はもちろん、出願時のポイントや入学後の授業や1日の流れ、卒業後の進路についても解説しているので、参考にしてみてください。

アメリカの高校の単位制度

アメリカの学校では、日本の大学のように単位制が設けられており、各生徒が選択した授業に合わせて教室を移動して授業を受けます。自身で計画を立てて単位を取っていくことので、興味に合わせて選択できるのはもちろん、自立心の育成にもつながります。

まずアメリカの公立高校に留学するためには、交換留学の制度の利用が必要です。
公立校は基本的に留学生の受け入れを行っていないため、留学をするには交換留学制度を利用する必要があり、自分で地域や学校の選択が出来ず、また最低でも英検2級程度の英語力やある程度の成績も必要です。

私立高校は、全寮生の学校も多く、費用は公立よりも高くなりますが、ESL(English as a Second Language:英語が第二言語の生徒様の教育)が設置されており、英語に自信がない生徒様には安心です。進学率も高く、学習環境や学校設備も整っているので留学生にはおすすめです。

公立・私立の特徴

公立高校の生徒のほとんどは学区内から通っているため、学区周辺の地域を反映した生徒構成になっています。

公立校は基本的には留学生の受け入れをしていないため、交換留学制度を利用して留学する必要があり、希望通りの留学先に行けるとは限りません。

一方で私立校の生徒は広いエリアから受験して来ており、特に寮制の学校になると全米・全世界から生徒が集まっています。生徒の出身地は様々ですが、多くの生徒は類似する家庭環境に育った生徒が多く、同じ将来的目標を掲げている生徒が多く集まっています。多くの私立学校は多様性を重視しており、留学生を積極的に受け入れています。

公立と私立のメリット・デメリット

公立私立
メリット
  • 私立より費用が安い
  • 年間費用およそ$55,000~$80,000程度
  • 学校ごとの特徴あるプログラム
  • 進学率が高い
  • 規律が整っている環境
  • 留学生を対象にしたESLクラスもあり、手厚い教育を受けられる
  • 現地の生徒も学費を払って通っているため、高所得家庭のお子様が多い
デメリット
  • 交換留学制度を受けられる程度の英語力と成績を身につけておかないといけない
  • 日本語が通用する場面が少ないため、留学前からある程度英語力を身に付けておく必要
  • 学費が無料の為、地域によっては治安や学習環境があまり留学生に向かない
  • 公立より費用が高い

アメリカの私立校留学はボーディングスクール

「寮制の学校」のことを「Boarding School(ボーディングスクール)」といい、アメリカの高校留学は私立のボーディングスクールが基本です。

アメリカだけでなく、世界中のから留学生が集まり。一緒に学び、生活をします。また、ボーディングスクールの特徴のひとつとして、生徒だけでなく、先生やスタッフ、そしてその家族もキャンパス内で生活していることが挙げられます。その為、授業以外でも先生方と接する機会が多く、先生と生徒の距離が自然と近くなります。また、看護師やカウンセラーも寮に滞在していますので、安心して生活することができます。

“寮生活”と聞くと厳しい規則があるイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。確かに外出するには許可が必要ですし、起床時間や食事の時間、スタディアワー等、時間も決められています。しかし、それは生徒の安全を守るための外出許可であり、時間の決まりは、集団生活を送るためのルールです。

また、寮生活では、夜中まで友達とおしゃべりをしたり、夜遅くまで勉強して夜食を食べたり、ベッドの中で勉強して寝落ちしてしまい、シーツや布団がペンの跡だらけになったり、年の近い学生と過ごすことも楽しく、寮生活を通して、自立心や自主性、チームワークやコミュニケーション力が身についていきます。

出願・入学選考について

私立高校への入学は各学校により選考基準が定められており、留学生の場合、中学校の成績やTOEFLのスコア、推薦状が選考基準になります。

現地生徒と留学生の選考基準は別れている場合が多く、一定の留学生枠を設けている学校も少なくありません。また、9月入学となっており、入学申請の第一次締切りは2〜3月が一般的です。多くの学校で空きがあれば願書を受け付けていますが、遅くなるとキャンセル待ちリストに入る可能性も高くなります。入学予定月より1年前を目処に準備を開始すると無理なく進めることができます。

公立高校に留学するためには、交換留学の制度の利用が必要です。公立校は基本的に留学生の受け入れを行っていないため、留学をするには交換留学制度を利用する必要があり、自分で地域や学校の選択が出来ず、また最低でも英検2級程度の英語力やある程度の成績も必要です。

出願に必要なもの

①成績証明書
多くのボーディングスクールで、過去2年分の成績表の提出が必要です。

英語だけでなく、すべての教科においてよい成績がとれるように努力しましょう。また、中学1年生の時の成績が悪かったとしても、年々成績が上がっていれば、その努力を評価して下さいますので、諦めずに目標に向かって頑張ることが必要です。

多くの学校の願書の締め切りは2月となります。その為、出願の際、中学3年生の成績は2学期までの成績を提出し、入学前に3学期の成績もあわせた最終の成績証明書を提出します。

②エッセイ
エッセイとは、留学先の高校に自身のことを知ってもらい、志望動機など熱意を伝えるための自己紹介文です。

生徒の個性や将来の夢など、自己アピールをすることが大切です。アメリカでは、机での勉強だけではなく、体験することを大切にしており、コミュニティサービスや課外活動へ小さなころから参加しています。アメリカの学校では言葉で表現することをとても重視しており、授業でもプレゼンテーションやディスカッション、エッセイなどが多くあります。

これまでの経験を、そこから学んだことや得たことを交えながら、「自分らしさ」が表現されているエッセイを目指しましょう。
◆ エッセイにはどんなことを書く?
テーマは、
  • アメリカのボーディングスクールを選ぶ理由
  • 志望理由
  • これまでに読んだ中で大きな影響を受けた本について
  • 尊敬する人物について
などを書く人が多いようです。
自分のことを伝えやすいテーマを選びましょう。
③推薦状
多くのボーディングスクールで、3名の先生からの推薦状が必要です。

推薦状は決められたフォームが用意されている学校もあります。担任の先生、英語の先生、数学の先生の3名から書いていただくように指示があります。

推薦状の内容としては、教えた期間や授業内容と、生徒の理解度や学習態度について、また生徒への評価となります。担任の先生方書いて頂く内容には、クラブ活動やボランティア活動といった課外活動も評価のポイントになりますので、どのようなことに熱心に取り組んだか書いて頂くようにしましょう。あなたの魅力が存分に高校に伝わるように書いていただきましょう。

④インタビュー
ほぼすべてのボーディングスクールでインタビューが必須となっています。

インタビューは、願書を出した後に受けるのが一般的で、留学生はスカイプやZoomといったオンラインで受けるのが一般的です。
インタビューは選考においてとても重視され、出願者の個性やコミュニケーション力などが見られます。インタビューは一問一答形式ではなく、会話のようにやり取りが行われます。
◆ インタビューではどんなことを聞かれる?
少なくとも以下については、回答を準備しておきましょう。
  • なぜ留学したいのか
  • 志望理由
  • 長所や短所
  • 自分の性格
  • 家族について
  • 得意/苦手な科目
  • クラブ活動
また、面接の終わりには ” Do you have any questions? ” と必ず聞かれます。
面接官は生徒にも学校のことをよく知ってもらいたいと思っていますので、学校について質問を用意しておくといいでしょう。

質問することで、より強く自分の印象を残すことができます。特に他の生徒がしないような面白い質問(学校の食事はおいしいと思いますか?、皆さんから見て楽しい生徒とはどのような生徒ですか?など)だと、より個性が表現できます。
⑤英語スコア
留学生はTOEFLまたはTOEFL Juniorのテストスコアで英語力を判断されます。

英語のテストスコアだけで入学を判断するわけではありませんが、入学基準として点数を提示している学校もあります。志望校がどれほどの英語力を必要としているのか確認し、出願までに何度か受験することをおすすめします。

アメリカでの高校生活

学年

学年(Grade)は小、中、高校をGrade1~Grade12というように数えます。州により、初等・中等・高等教育の区切りが異なり、一般的に、5‐3‐4または、6‐2‐4が主流となります。

なお、
Grede9を「Freshman(フレッシュマン)」
Grade10を「Sophomore(ソフモア)」
Grade11を「Junior(ジュニア)」
Grade12を「Senior(シニア)」
と呼びます。

会話の中でGrade9などと呼ぶことはほとんどないので覚えておくとよいでしょう。

学期

1年度のことを「Academic Year(アカデミックイヤー)」といいます。

アメリカの多くのボーディングスクールでは、9月に新学期が始まり、「秋学期」「冬学期」「春学期」と3学期制を取り入れています。また、1年を9月~1月、2月~6月の2学期(セメスター)に分ける学校もあります。

夏休みは6月から8月までのおよそ3か月間となり、長期のお休みの間は、荷物をすべて持って寮を出る必要があります。夏休み期間に自国へ帰国する留学生もたくさんいますが、サマースクールに参加する生徒も多くいます。特に留学生は、サマースクールに参加し、単位を取ることで、単位取得に少し余裕を作ることも出来るのでおすすめです。

アメリカの学校は単位の交換がしやすく、他の学校のサマースクールで取得した単位も卒業単位として認めてくれます。サマースクールに参加することは単位の為だけではなく、新しい友達との出会いや他のボーディングスクールを体験すること、さまざまなアクティビティや課題に取り組めることも大きな魅力です。
時期学期イベント
9月初旬秋学期新入生到着日、オリエンテーション・科目選択、授業開始
10月中旬中間試験
11月下旬期末試験
11月下旬休校サンクスギビング休暇
12月初旬冬学期1学期開始
12月中旬~1月初旬冬休み
1月初旬授業開始
2月初旬中間試験
3月初旬期末試験
3月中旬~下旬休校春休み
4月下旬春学期中間試験
5月下旬年度末試験
6月初旬卒業式
6月初旬〜8月末休校夏休み(帰国、サマースクール参加する人が多い)

ボーディングスクール(寮制学校)の1日

ボーディングスクール(寮制度の学校)の1日のサンプルスケジュールを見てみましょう。
時間内容
6:30 - 7:30
起床
シャワーを浴び、支度します。(アメリカでは湯船につかることはほとんどありません)
7:00 - 7:50朝食
寮のカフェテリアで朝食を取ります。食事はトーストや卵、ベーコン、シリアルなどです。学校によっては朝食の前後に全員揃っているか確認の為に点呼や、礼拝が行われるところもあります。
8:00 - 12:00午前の授業開始
1科目の授業時間は45分~80分の学校が多く、午前中に3~4科目を受けます。
アメリカの授業は日本のシステムとは違い、自身の組んだ時間割通りに、先生の教室へ移動して授業を受けます。
その為、授業の合間には5~10分の移動時間があります。
時間割によっては1~2時間の空き時間がある場合もあり、そんなときには寮に戻って休憩したり、予習をしたりして過ごします。
12:00 - 13:00ランチ
学校のカフェテリアでランチを取ります。食事はビュッフェ形式でサンドイッチやスープ、サラダなどです。
生徒だけでなく、先生方もこの時間にカフェテリアで一緒に食事をします。
ランチタイムの時間内であれば自分の都合に合わせて食事がとれる学校がほとんどです。
13:00 - 15:30午後の授業開始
午前同様、時間割に応じて授業を受けます。午後は2科目程度の授業を受ける学校がほとんどです。
15:30 - 17:00スポーツ・クラブ活動
多くのボーディングスクールで放課後のスポーツ参加を必須としています。
バスケットボールやサッカー、バレーボール、テニス、陸上競技、ラクロス等、学校によってさまざまなスポーツに参加する機会があります。
18:00 - 19:30夕食
ランチ同様、先生も生徒もそろって食堂で夕食をとります。
学校によっては1~3週間おきにFormal Dinnerといって、決められたテーブルに先生とその家族、そして何人かの生徒が席をともにして、正装して食事をとります。
19:30 - 21:00スタディホール
スタディホール(Study Hall)とは、決められた自習時間のことです。
学校によってみんなが一室に集まって自習する場合と、各自の部屋や図書館でする場合とがあります。
自習とはいえ、「強制的な勉強」の時間です。もちろん先生はきちんと見回りします。
21:00 - 22:00シャワー・洗濯・掃除
シャワーを浴び、就寝の準備をします。
(アメリカでは湯船につかることはほとんどありません)
また、寮生活の場合、寮にあるランドリーで自身で洗濯を行い、自室の清掃も行います。
22:00チェックイン
寮母さんがすべての寮生が寮内にいることを確認します。
23:30消灯
学校によって消灯時間は無い場合もあります。尚、留学生の多くはスタディホールの時間だけでは宿題や予習、復習が終わらず、自室で深夜まで勉強することが多いようです。

カリキュラム

私立高校では、各校独自で作成したカリキュラムに沿った授業が行われます。

私立高校のカリキュラム作成には規制が無いため、多くの学校は一般科目の他、アートや演劇、アウトドア教育やボランティア活動などが卒業の為の必須科目となっています。

また、大学進学に向けたカリキュラムが組まれているため、授業のレベルも高く、一般科目を早く修了した生徒の為にAPと呼ばれる大学レベルの授業も行われています。こうすることにより、生徒が大学の授業に入って行き易くする目的もあります。

また、多くの私立高校は留学生のためにESL(English as a Second Language・英語を母国語としない生徒のための英語クラス)を持っており、留学生のニーズにも柔軟に対応してくれます。

一人ひとり異なる時間割

アメリカの高校では、日本の大学のように、生徒一人一人がたくさんの科目の中から選択し、時間割を作成し、それに沿って授業を受けていきます。
その為、日本のように「〇年〇組」といったずっと一緒のクラスはありません。授業によって教室を移動し、クラスメイトも先生も異なります。

また、座席も決まっていないため、各自が好きな場所に座って授業を受けます。また、1クラスの生徒数は10人前後となり、少人数制の指導はボーディングスクールの大きな特徴でもあります。

卒業するまでに必ず取らなければならない必修科目と、選択科目があり、開講している科目の中から自由に選びます。時間割を組むにあたっては、アドバイザーの先生の指導やアドバイスをくださいますので、相談しながら時間割を作成していきます。

上級レベルの科目をとるためには、あらかじめその下のレベルの科目の単位を取得している必要があるので、計画性をもって時間割を組むことが大切です。
◆ どんな授業を受ける?
ボーディングスクールに通うGrade10 ソフモアの生徒の、ある曜日の時間割です。
時間割内容
朝礼Assembly(朝礼)
1時間目Religion(宗教学)
2時間目Global Studies(世界史・地理)
3時間目ESL(留学生の為の英語)
ランチ-
4時間目Science(科学)
5時間目Algebra(代数)
放課後スポーツ・クラブ活動
  • Assembly(朝礼):日本の朝礼のように、連絡事項や賞の発表などが行われます。小説家や有名人、卒業生などのスピーチを聞くこともあります
  • Religion(宗教学):授業は映画鑑賞や読書をして、ディスカッションやプレゼンテーションが中心です。宿題は教科書の読み込みで、1回の宿題で20~30ページほど出されます
  • Global Studies(世界史・地理):プロジェクトの課題が多く、新聞作りやプレゼンテーションが中心です。テストではレポートが多く、自分の意見を書くことが多くあります
  • ESL(留学生の為の英語):留学生の為の英語クラスで、最初は短い文章から始め、後期は少し長めの小説を読んで、文法や単語を習得していきます。宿題は単語の勉強とジャーナル(日記)も書きます
  • Algebra(代数):留学生にとって数学は得意な科目のひとつです。授業では最初先生が解説して、あとは各自で問題を解いていきます。授業で終わらなかった問題は宿題となります

授業はディスカッションが中心、予習が大切

授業スタイルは日本とは異なり、ディスカッションやディベート、プレゼンテーションが多く、レポートやエッセイを書く機会も大変多くなっています。

ほとんどの日本人の生徒は、積極的に意見を言うことに慣れないかもしれませんが、理解していても何も発言をしないと、理解していないと先生に見なされてしまいかねません。

積極的に発言し、授業に参加していくことは成績にも良い影響を与えます。
「自分の意見をもつこと」はアメリカではとても重視されており、自分の意見をクラスメイトと共有し、周りの意見に耳を傾けることで、一人ひとりの個性や意見を認め合い、理解を深めるというのがとても大切だと考えられています。

授業で積極的に発言をするためには、予習がとても大切です。
アメリカの高校の宿題は、予習も兼ねており、教科書を読んでくることが宿題として出されます。そして授業は、宿題として読んできた内容をもとに、ディスカッションが行われます。一つの科目について20~50ページくらいのかなりの量の教科書を読む宿題も多く、母国語が英語ではない留学生にとっては慣れるまでは苦労することと思います。
◆ 教科書を読む際のポイント
効果的な読書法として、「飛ばし読み(Skimming)」が出来るようになると、文章のポイントを理解することが速くなります。

アメリカの教科書は、章ごとに「章のまとめ」が箇条書きされています。その為、頭から教科書を読み始めるのではなく、まずこの「章のまとめ」を読み、章全体にざっと目を通します。
教科書の太字や図、写真、グラフなどから、章全体の構成を把握します。その後全体を読むにあたっては重要だと思われる箇所を重点的に読むようにします。この方法を身につけられると、何時間もかかっていた宿題や予習の時間が短くなります。

また、もう一つポイントとしては、日本語で理解できていないことをいきなり英語で理解するのは大変ですので、インターネット等を利用して日本語で知識を得ておくのも、一見遠回りのように見えますが効果的です。
翻訳サービスは、短い単語ならばGoogle翻訳、長い文章ならばDeepLがおすすめです。

進級

履修単位は最低と最高の枠があり、科目は必修と選択があります。1年間に習得しなければならない最低単位があり、これを満たすことが進級の条件です。

多くの学校が、A~Fの評価が付けられ、このアルファベットを数字の0~5に換算(Grade Point)して平均値を出したものがGPA(Grade Point Average)です。
成績はテストの結果だけでなく、学習態度、ディスカッションやディベートでの積極性、レポートなど、いくつかの要素を組み合わせてつけられます。

なお、高校卒業後はそのままアメリカの大学進学を目標としている生徒は、GPAを高く保つ上に、学業だけでなく、スポーツやボランティア活動といった、部活動や課外活動での実績、また、SAT(Scholastic Assessment Test:アメリカのセンター試験のようなもの)でも高いスコアが必要です。

また、成績表には科目ごとのABCDFの成績に加えて、先生のコメントが付きます。詳しくコメントされる為、保護者の方にも学習状況がよく伝わります。先生からのアドバイスの記載もありますので、しっかりと確認し次に活かすことが大切です。
◆ GPA(成績の平均値)の算出方法
獲得ポイント(履修科目ごとのGrade Point × 取得単位数)の総和 ÷ 総取得単位数
以下に算出例を示します。
履修科目取得単位数Grade Point獲得ポイント
ESL1単位A (4.0ポイント換算)4.0 ( = 1単位 × 4.0ポイント)
Religion1単位B (3.0ポイント換算)3.0 ( = 1単位 × 3.0ポイント)
Science2単位C (2.0ポイント換算)4.0 ( = 2単位 × 2.0ポイント)
取得単位数合計3単位獲得ポイント合計11.0
GPA3.7
( = 11.0 ÷ 3単位)
Grade Pointは、Aが一番高く4.0、Fが一番低く0となります。
オールAを修めればGPAは4.0ということになります。GPAが3.5以上であれば、優秀な成績とみなされます。

GPA2.0以下を取ってしまうと、学校からまず警告書が発行されます。改善が見られない場合には退学にもなりかねません。もちろんさまざまなサポートを先生方はしてくださいますが、本人の学習態度の改善が見られなければ、退学になってしまいます。

アメリカの大学進学を考える場合、最も重視されるのがGPAとなります。アイビーリーグ(Ivy League)をはじめとしたアメリカの名門大学を目指す場合には、GPA4.0に近い成績が必要になります。授業についていけない場合は一人で悩まず、早い段階で先生やアドバイザーに相談しましょう。

卒業後の進路

卒業後に進学する場合の進路としては、アメリカや他の海外の大学へ進学するか、日本の大学へ進学するか、の二択になります。

アメリカの大学に進学する場合は、高校を6月に卒業し、その年の9月からアメリカの大学に入学します。他のアメリカ人の同級生と同じように進学準備を進めることになりますが、留学生はSATの受験に加え、英語力の証明としてTOEFLスコアの提出も必要です。Grade11から準備を始め、カウンセラーが進路について指導やアドバイスをくださいます。

また、日本の大学に進学する場合、日本で高校を卒業した生徒と同じように「一般受験」をすることもできますが、アメリカの高校に2年以上在籍し、卒業した場合、「帰国子女枠」で日本の大学を受験することができます。最近は秋入学を認める日本の大学も増えており、アメリカの高校生が受けるSATのスコアを審査項目として取り入れている大学もあります。

一般受験枠の場合は、受験科目に現代文や古文、日本史など、アメリカのボーディングスクールの授業には含まれない科目もありますので、夏休みや冬休みの長期休暇を利用して予備校に通い、対策が必要になります。

これからアメリカ留学を考えている生徒様・保護者様へ

「留学はいつからするのがいいのか」
とよくご質問をよく頂きます。

人それぞれの考え方はあるかと思いますが、寮生活を通して、自分で朝起きたり、洗濯したり、一見当たり前のことのように思いますが、自分で出来るようになることや、集団生活の中で身に付くコミュニケーション力やチームワークは、何より社会に出たときの自信に繋がると思います。

また、英語力だけでなく、1人の人間としても大きく成長する環境があります。アメリカの高校では自分で考えて自分の意見を発信することや行動することがとても大切だと考えられており、授業を通して創造力や分析力、判断力等、社会に出たときに必要とされる力が養われます。

本人の意志

留学後、日本とは異なる文化、生活、環境への戸惑いに加え、授業スタイルの違いや英語の面で戸惑うことや悩むことも、最初のうちは多くあるここと思います。そんな時、「自分で選んだ道」として、悩みや苦しみにも耐えられる意志の強さが必要です。

また、通う学校によって出会う友達、学習環境、生活環境は変わり、それらは人を大きく変えます。
これから留学を考えているお子様、親御様は、もちろん与えられた環境も大切ですが、お子様自分自身での環境づくりも大切なことをよく考えて頂きたいと思います。

いくら学校環境が良くても、いつも日本人のお友達と日本語で話していては、英語は上達しません。自分から他国籍のクラスメイトと関り、ネットワークを作り上げ、お互いに刺激し合って成長していくことが大切です。

親元を離れて海外で生活すること

お子様のことを考えるとひとりで海外に行かせることを不安に思い、なかなか踏み出せない保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

しかし、高校生という多感な年頃に、親と遠く離れている方がよい場合もあります。例えば、寮生活を通して、自立心やコミュニケーション力を養うことができること、そして何よりも若い間に英語に触れることができるため、発音や語彙力の面で語学の習得を加速することができます。

留学に行かせるタイミング

留学に行かせるタイミングについてさまざまな意見はあると思いますが、多感なこの時期、海外でひと時を過ごした経験は、お子様の視野を広め、自信を養い、将来の進路を考えるきっかけを与えてくれます。

また、15歳くらいを過ぎると、ネイティブ・スピーカーのように話せるようになるのは難しいと言われています。語学習得の観点からも、留学のタイミング早いことにはメリットがありますので、留学させることができる機会や環境があるのでしたら、中学生の早い段階からの留学をおすすめします。

さらに、英語力や学習状況によっては、高校卒業までに日本での3年間より長くなることもあり得ます。また、留学生は英語力の面で、1学年下げて入学することも多くあります。1学年下げることで、最初の1年間は単位を心配することなく、ますは英語の習得に集中することができるからです。このようなことからも早めの留学をおすすめします。

周りの理解とサポート

留学には、金銭面でも精神面でも周囲のサポートが必要です。本人だけが納得しているのではなく、現在の日本の学校の先生や保護者様も、本人の希望する留学先(国、学校)への理解が必要です。

また、経済面のサポートとして奨学金制度について質問を多く受けます。
現時点では、アメリカのボーディングスクールで、私費での留学生に対して奨学金を提供しているところは残念ながらありません。

留学生で低所得のご家庭を対象に奨学金制度を設けている学校も極めてまれにございますが(Emma Willard Schoolは留学生も対象の奨学金制度あり)、審査は大変厳しくなっております。

現地校の奨学金制度は、基本的に自国の生徒を対象としたものとなります。名門校になると、優秀な生徒を入学させるために、成績に加え、スポーツや芸術分野に優れているが、経済的に厳しい学生を対象に奨学金制度を設けている学校もございます。

アメリカ高校留学 Q&A

アメリカ留学に関するよくあるご質問はこちら

学生ビザ

長期留学する場合、学生ビザを取得する必要があります。
学生ビザには2種類あり、一般的な学生ビザは、「F-1ビザ」となります。ビザ申請には大使館または領事館での面接が必要となりますので、早めに準備を進めましょう。

アメリカ大使館 学生ビザ日本語ページはこちら

お役立ち情報など

以下は、留学に際して有用と思われる情報のリンク集です。
弊社がご提供しているアメリカ高校留学先一覧、現地サポート、お役立ち情報、アメリカ留学の実体験ブログなど、今後の留学ご検討の参考になさってください。